月別アーカイブ: 2013年4月

「病態分析&総合診断」について

病態分析&総合診断とは?

患者さまのお口の「今」と「未来」をいろいろな角度から考え、治療計画を立てるためのシステムです。

【①全身②顎・顔面③歯列・咬合④歯牙・歯周の4つの単位に分類し各々を分析、そして分析結果を統合して考え、悩みが発生した原因を予測し、治療計画を立案するシステム】

では実際に、検査資料を用いて病態分析&総合診断してみようと思います。

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綺麗なお口に見えますが、、、、、

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拡大すると以前詰めていた樹脂の詰め物が変色して、境目から虫歯が染み込んでいるように見えます。

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お口の写真では見えない歯石が、レントゲンをよく見ると歯ぐきの下についています。

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更によく見ると、右の歯にひびが入っています。普段から気が付くと右でくいしばる癖があるとのことです。

もう少し追加資料を用いて調べていきましょう。

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模型をとって左右を見比べると右の歯並びの方が窮屈で上下からの力を受けていそうです。

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正面からのレントゲン写真をとると、ほんのわずかですが右の方が力を受けて短縮しているようにも見えます。現状で大きなズレは生じていません。

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首が右に傾き、右肩も少しあがっているように見えます。

右のくいしばりと体の歪みが関係しているのかもしれませんね。

さらにひびが大きくなると、歯がしみてくる知覚過敏をおこす可能性が考えられます。

ですが、特に症状もなく過ごしているため、現状で必ず治療が必要とは考えません。

起こりうる可能性と、今後気をつけるポイントをお伝えすれば、症状につながる可能性はぐっと低くなります。

この方の場合は、右でくいしばらないように意識してもらうことをお伝えしました。

実際の治療としては虫歯治療や歯石取りを行い清潔にした後、定期的なお口のお掃除(メインテナンス)に来てもらいながら、経過を見ていくことにしました。

※資料掲載にあたり患者さまの許可を得ております。ご協力心から感謝いたします。

「検査資料」について

患者さまのお口の現状をわかりやすくお伝えするための資料です。

当院ではすべての資料を必要とする訳ではなく、必要最低限の資料で現状をお伝えできるよう心がけております。

1. 口腔内写真

お口の中を撮影した写真です。虫歯や歯ぐきの腫れ、歯並びや歯ぎしりの兆候など、さまざまなことがわかります。

 

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当院では過去の写真を保存して現在の写真と比べることで、患者さまのお口の変化に気づくことができます。これにより、正確に経過を見ていくことができます。

2. レントゲン10枚法

目では見えない歯ぐきの下や歯の中を見ることができます。

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3. 歯周精密検査

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歯ぐきの腫れや歯周病の状態がわかります。

4. パノラマレントゲン写真

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顎の関節や歯ぐきの下に眠っている親知らずの向きなどがわかります。

5. スタディーモデル

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型取りをして作る歯の模型です。

普段見ることのできない角度から歯ならびや骨の厚みを観察することができます。

(※上の写真は、のどの方向から見た歯並びになります。)

6. 頭部X線規格写真(セファロ)

横から撮影したレントゲン写真です。

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線を引いて角度や距離をはかることによって、患者さんの咬みかたの傾向などを予測します。

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実際に計測して算出した数値です。

矯正治療や全体的な治療の治療前後を比較することによって、さらにいろいろなことがわかります。

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正面から撮ったレントゲン写真です。線を引いてバランスを見ることで顎の位置を確認できます。

※資料掲載にあたり患者さまの許可を得ております。ご協力心から感謝いたします。